高齢者の転倒
高齢者の転倒について
高齢者は身体機能の低下、病気や薬の影響により転倒のリスクが上昇します。
転倒により骨折をしたり、頭部をぶつけたりして入院を余儀なくされることも少なくありません。
入院となれば、さらに筋力の低下や認知機能の低下を引き起こす可能性もあります。
転倒時の骨折は介護が必要になる原因でも上位にはいります。
高齢者の転倒原因
高齢者の転原因として
〇視力・聴力の低下
〇バランス感覚・歩行能力の低下
〇筋力低下
〇病気や薬の影響
などがあげられます。
高齢者の転倒しやすい場所
高齢者が転倒しやすい場所として自宅があげられます。
外出先での転倒よりも、住み慣れた自宅で転倒する方が圧倒的に多いです。
自宅の中でも、普段生活をする庭、居間、リビング、玄関、階段、寝室、浴室などが多くなっています。
庭に出るまでの段差や庭に置いてある鉢植えなどで転倒することがあります。
居間やリビングでは、カーペットの縁や床に置いてある小物、立ち上がりの際のふらつきなどに注意が必要です。
玄関や階段でも、玄関マットや段差、滑りやすい階段なども危険です。
寝室ではベッドや布団からの起き上がり、不安定なテーブルなどを手すり代わりに使っていたりすると転倒の危険性があります。
浴室では、浴槽に出入りする際に転倒したり、床が濡れて滑りやすくなっていることも転倒につながります。
転倒時に多い骨折
転倒時に多い骨折の種類としては
〇大腿骨頸部骨折(足の付け根付近の骨折)
〇橈骨遠位端骨折(手首の骨折)
〇椎骨圧迫骨折(背骨の骨折)
〇上腕骨骨折(うでの骨折)
などがあります。
高齢者は骨密度(骨の強さ)が低下していて骨折しやすくなります。
転倒時に反射神経の低下から手が出せず、顔面から転倒してしまうこともあります。
転倒予防
転倒を予防するためには、転倒しにくい環境を作ること、筋力やバランス感覚を鍛えることが重要です。
転倒しにくい環境
高齢者が転倒しやすい場所は自宅です。生活空間である自宅を転倒しにくい空間にすることが重要です。
〇段差を作らない
部屋と部屋の段差、カーペットなどの縁でできる段差でも足をとられて転倒につながります。マットやカーペットは使用しない、介護保険住宅改修などを利用して段差をなるべくなくしましょう。
〇立ち座りする場所、階段、浴室などでは手すりを設置する
立ち座りする際につかまれる場所があるだけで転倒のリスクは減少します。階段や浴室でも手すりの設置は重要になります。
※簡易手すりは介護保険福祉用具レンタルの対象です。
※入浴補助用具は介護保険福祉用具購入品の対象です。
〇足元や部屋を明るくする
高齢者は視力の低下などにより段差や足元の置物などが見にくい場合があります。部屋の電気を明るいものに変更したり、足元を照らすライトなどを活用すると足元が見やすくなります。
運動・食生活
筋力やバランス感覚を鍛えるためには運動は欠かせません。毎日のラジオ体操や散歩、自宅での体操や運動も行いながら筋力が低下しないようにしましょう。
食生活も身体を作るために大切です。バランスよい食事を心がけ、高齢者が不足しがちな卵や乳製品、お肉を積極的に摂取しましょう。
日光を浴びると、カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にするビタミンDが体内で作られるため、天気のよい日のウォーキングもおすすめです。
ひろみのひとこと
高齢者が転倒するとその後の生活に多大な影響がでてきます。転倒が引き金になり寝たきりになってしまうなど、生活が一変してしまいます。
転倒しないような環境づくり、身体づくりが重要です。
介護保険では福祉用具のレンタル、販売、住宅改修、介護予防のためのサービスなどもあります。
長く健康でいるために「転倒予防」を心がけてください。