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口の中の清潔

高齢者の口腔衛生

 

高齢者では口の中を清潔に保つことが感染症や肺炎予防、食欲、健康の増進につながります。
毎日、口の中を清潔に保ちましょう。

 

高齢者の口腔内の問題点

 

〇唾液量の低下
唾液にはいろいろな働きがあります。食べ物の消化を助けたり、味を感じやすくしたりする働き。口の中の汚れを洗い流す、酸を中和して、口の中を中性に保つ、細菌の繁殖を抑える、再石灰化によって、むし歯を防ぐといった、口の中を清潔で健康に保つ働きがあります。
唾液の分泌量は、ストレスや疲れ、加齢、薬の副作用などで減少することもあります。

〇虫歯・歯周病の多さ
加齢によって歯肉がやせて歯茎が下がり、歯の根元があらわになると、そこから虫歯になりやすくなります。高齢の方は、長年のブラッシングや咀嚼(そしゃく)などによってエナメル質がすり減り、薄くなっている状態にあります。
加齢によってもエナメル質は薄くなりますので、若いときに比べると数分の1の厚さになっていることもあります。そのため、虫歯菌の進行が容易になり、すぐに象牙質・歯髄まで虫歯になってしまうのです。
また、高齢者の口腔内は唾液量が低下し、自浄作用が弱まっているため、本来は唾液で洗い流されるはずの細菌が増殖し、歯周病にもかかりやすい状態です。加齢による免疫力の低下も、虫歯や歯周病菌が増える原因の一つです。

〇口の中が乾燥する
唾液量の低下により口の中が乾燥します(ドライマウス)。食事での噛む回数の減少、会話の減少なども唾液量の低下につながります。薬の副作用による場合もあります。
口の中の乾燥により、虫歯や歯周病の進行、細菌の増殖により口臭の原因にもなります。

 

口腔ケアの重要性

 

口の中を清潔に保つことで

〇おいしい食事ができる
おいしい食事ができると食事量や食に対する楽しみができ、食べ物から栄養を摂取できます。
〇病気になりにくくなる
清潔な口の中を維持することで、感染症や誤嚥性肺炎の予防につながります。
また、1日に1回しか歯磨きをしなかった人は1日3回歯磨きをした人と比べて、認知症を発症する可能性が65%も高くなるという研究結果もあります。
〇気分がよくなる
歯を磨いたあとは口の中も、気持ちもリフレッシュし気分がよくなります。自分の気持ちが良くなることで、会話や外出の意欲がでてくるかもしれません。

 

口腔ケアが自分でできない方

 

ご自身で歯を磨けない、歯医者に通院できないなどの悩みがある方もいらっしゃると思います。
自宅に来てくれる歯医者(訪問歯科)、介護ヘルパーによる身体介護(歯磨き)などのサービスもありますので、ケアマネージャーや歯科医院に問い合わせしてみるといいでしょう。

 

ひろみのひとこと

 

口腔ケアの重要性は、最近よく耳にするようになりました。私が子供の頃は、今のように口腔ケアの重要性は周知されていませんでした。
孫に、私が使ったスプーンで食事をあげようとすると「虫歯菌がうつるからやめてほしい」と言われます。

日々進化する「普通」に対応していくことは大変ですが、それはとても重要なことです。
健康を保つために重要な口腔ケアを心がけましょう。

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