誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは
食べ物や唾液などが気管に入ってしまい、肺炎を起こしてしまうものを誤嚥性肺炎といいます。
食べ物が食道ではなく気管に入ってしまった場合、通常はむせて気管から排出する反射機能が働きます。
しかし、この機能が鈍ってしまうと、気管に入り込んでしまった食べ物を排出できず、結果として肺炎を起こすことがあります。
このように、食べ物や唾液などが、気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といい、誤嚥が原因で起こる肺炎を誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)といいます。
誤嚥性肺炎になりやすい人
飲み込み機能の低下した高齢者、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などの神経疾患や寝たきりの患者に多く発生します。
歯磨きなどをせずに、口の中に菌が増殖し肺炎になることが多いといわれています。
口の中を清潔に保つことが、誤嚥性肺炎の予防につながります。
誤嚥性肺炎の症状
〇発熱
〇激しい咳
〇痰(膿のような黄色い痰)
が典型的な症状ですが、高齢者の場合これらの症状が見られなくても
〇元気がない
〇呼吸の音が少しおかしい
〇食欲がない
〇体重が減ってくる
などの肺炎とはわかりにくい症状がでる場合もあります。
高齢者では風邪の症状ととらえられることもありますので、長引く場合は何度か病院へ行きましょう。
誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎の予防としては
〇歯磨き
口腔内を清潔に保つことが重要です。
〇禁煙
喫煙で気道粘膜の浄化が抑制され、細菌が付着しやすくなるとされるため禁煙は重要です。
〇リハビリ
誤嚥防止のリハビリテーションも有効とされています。
〇食事のとり方
食事の際に十分に上体を起こし、ゆっくりと咀嚼・嚥下することが大切です。
〇ワクチン
肺炎球菌のワクチンも受けておくと良いでしょう。
ひろみのひとこと
高齢者の誤嚥性肺炎では、ご本人が気がつかない場合が多いので、周りの介護者やご家族が日常生活の変化を見守ることが重要です。
風邪のような症状が長く続いたり、調子の悪そうなときは迷わず病院の受診を促しましょう。