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認知症の徘徊について

認知症の徘徊

 

認知症にみられる行動の中に、徘徊があります。
徘徊は転倒や交通事故、行方不明などにつながる危険な行動です。

自宅内でも歩き回ったり、夜間に眠ずに大声を出すなど、介護をするご家族にとって、たいへん負担が大きな問題の1つです。

 

なぜ徘徊してしまうのか

 

認知症の種類によっても症状は異なりますが、判断力、思考力、記憶力の低下、見当識障害(いつ・どこなどがわからなくなる)などが徘徊につながるといわれています。

具体的な例

「買い物をしにスーパーへ行ったが、買い物をするという目的を忘れてしまう」

「友達に会おうと家を出たが、友達の家がどこだかわからない」

「帰り道で自分がどこにいるのかわからなくなる」

「時間がわからなくなり夜中に出かけてしまう」

「自宅にいても自宅にいることを忘れてしまう」

「トイレの場所がわからず家の中を歩き回る」

「判断力の低下で地図や交番で道をたずねるなどができない」

他にも幻覚や幻聴、妄想、不安などにより外出してしまうケースもあります。

 

ご家族ができること

 

〇気持ちに寄り添う
外に出て行こうとする「徘徊」には、ほとんどの場合にその方なりの目的や理由があります。責めたり無理に止めたりすると逆効果になるため、共感しながらお話をよく聴きましょう。

〇怒らない
怒られた内容は忘れてしまっても、そのときに感じた恐怖や嫌な気持ちは残るといわれています。怒られたことでストレスや不安感などを感じ、安らげる場所を求めてさらに徘徊を続けるおそれがあります。
何度も徘徊を繰り返されると、声を荒らげたくなると思いますが、逆効果になるので避けてください。

〇周囲に知らせる
ご近所や交番などに事前に状況を知らせておくことで、見かけた際は声をかけてもらえたり、保護をしてもらえます。

〇日中運動をさせる
日中に適度な運動をさせると効果的です。ラジオ体操や高齢者向けの軽いストレッチなどで十分です。
体を動かすことは脳に良い刺激を与えるだけでなく、程よく体を疲れさせることで夜ぐっすり眠れるようになり、深夜の徘徊予防につながります。

〇GPSや名札などを使用する
市区町村によっては「みまもりGPS」などをレンタルできるサービスもあります。
※墨田区ではおおむね65歳以上、要介護1以上、在宅の認知症の方に月額800円の自己負担でみまもりGPSが利用できます。

緊急連絡先や住所、名前などを書いた紙を持たせることも場合によっては必要です。その紙を見て連絡や自宅に送ってもらえる場合が多いです。

ご家族の心構え

 

実際に認知症患者のご家族は大変な負担を背負っています。
認知症の徘徊への対応で心がけたいのは、徘徊する本人の気持ちをくむことと、介護者が一人の場合はすべて一人で背負おうとしないことです。また、家族や福祉サービス、近所の人の力も積極的に借りることが大切です。
徘徊は、介護者を疲労させます。徘徊が始まったときに間違った接し方をすると、症状を悪化させることにつながります。介護者が倒れてしまっては、被介護者も困ってしまうので、介護者側が少しでも自分の負担を軽くできるように周りに相談し、正しい対処の仕方を身に付けることが大切です。

 

ひろみのひとこと

 

認知症の徘徊はご家族の負担を大きくします。
べつで暮している、同居している、仕事をしている、自分も調子が悪い、いろいろな環境の方がいらっしゃいます。
認知症症状も家庭の環境も千差万別です。
介護に疲れ、どうにもできずに介護施設に相談に行くかたも多いです。

認知症の介護では、少しでも負担が軽くなるように、早いうちから一人で悩まずに、いろいろな方の力を借りることが重要です。

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